DRAWSTRING TOTE BAG
丸編みニットならではの新たなものづくり
文殊が企画から製造を担う丸編みニットは、丸編み機特有のループが螺旋状に繋がる構造と、用途に合わせた糸の組み合わせにより、しなやかな柔軟性と心地よい伸縮性を持つ生地である。この特性を活かし、これまではレディースインナーを中心とした衣料品で、人々のカラダに寄り添って来た。今回のプロジェクトでは、衣料品とは異なる新たな分野で、丸編みニットならではの特性を活かし、新たなカタチで人に寄り添うモノづくりに挑戦する。文殊初となるオリジナルブランドでもある事から、新たなビジネスモデルに取り組む第一歩となる。
ありふれたもの/ありふれていないもの
丸編ニットの柔軟性と伸縮性を活かした、複数の袋が連結する巾着。生地が伸縮するため容量は大きく、インナーバッグ、あるいはトートバッグのように日用の場面で使用できる。普段から旅行時の移動や収納に様々な数や大きさの袋物を活用しているが、一方でどこに何を収納したか分かりにくくなる。そのストレス緩和のために一つにまとめる方法がないかと考えるところから着想を得た。サイズや色を展開しやすいことも布製品の楽しさかもしれない。袋物は既に無数のデザインが存在するが、現代のライフスタイルに提案し得るものとして可能性を感じている。
Designer's voice
布は人類が最も長く寄り添ってきた素材の一つ。安価に製造普及できるようになったのは比較的近代からとはいえ、布にまつわるプロダクトは既に発明され尽くされているとも言えるだろう。文殊さんが作る丸編み生地は人肌で触れる普遍的なやさしさが感じられるもの。あまりにも身近なこの素材の魅力をどのように知ってもらえるか、真剣に向き合っている姿に感銘を覚えた。その姿勢に応えるべく素材を素直に利用し、現代の生活に適合でき、さらには文殊さんがビジネスとして今後の展開も考えられるようにプロジェクトを包括的にデザインするように心がけた。